就職対策Vo.098~そもそも、なぜ、システム開発は必ずモメるのか?

キャリアコンサルタントのサイトウです。今回は、システム開発は必ずモメるのかについてを考えていきましょう。
今回のテーマは、エンジニアの方なら、うなづく内容ではないでしょうか?
一般的には、請負、受託開発に関わらず、システム開発をする場合の3割~4割で揉めていると言われています。
すんなりと行くケースが全てではないことが分かりますね。
では、なぜこのようになってしまうのでしょうか?
●トラブルの原因
原因は、大きく5つあると考えます。
①業務知識の不足
②パッケージ活用の認識不足
③双方のコミュニケーション不足
④プロジェクト管理能力不足
⑤開発コストの増加
①業務知識の不足
システム開発をする場合、ソースコードの解析やテストを行い、ユーザーの業務を分かっただけでは良いシステムを作れるとは言えません。
では、どうすれば良いシステムを作れるのでしょうか?
そのためには、顧客の業務を理解して、どのように効率化をすることが最適なのかを考えることです。
ただ単にシステムを作るわけではなく、使う立場にならないと、効率化を進めることはできませんよね。
仮に導入できたとしても、真の効率化ができるかどうかは疑問です。
このように、相手の要望に耳を傾け、業務を理解した上で徹底的に確認していく必要があります。
それでもトラブルになる可能性があり、場合によっては裁判になるケースも少なくありません。
逆に、発注側がシステムについてを理解していない場合もあります。
このようなケースは、要件定義の際に疑問に思ったことは軽視せず、突き詰めて確認していく必要があります。
②パッケージソフトの知識不足
経営者の多くは、独自システムの開発は、費用がかかり過ぎると考えています。
そのため、業務パッケージソフトの導入を検討する企業が多いといえます。
実際にパッケージソフトでカバーできる範囲は、広がっていて、質も上がっています。
しかしながら、導入の際に、壁に当たる企業も多いのです。
それは、パッケージソフトを導入後に、機能追加を行った結果、独自システムを開発するよりも、コストがかかり過ぎてしまうからです。
一般的には、機能追加費用がパッケージ費用の30%を超す見込みの場合、独自システムのほうが安価といわれています。
③双方のコミュニケーション不足
パッケージ選択の際には、「フィットギャップ分析」ということを実施します。
これは、自社業務とパッケージの適合性を調べる方法です。
しかし、ここにも双方のギャップがあると、トラブルになりかねません。
ユーザー側は、これをあまり重視していないことがあります。
そのため、ベンダー側がパッケージのデモを実施するなど確認することが必要です。
「このような機能で貴社の業務はこれでカバーできますか」という質問があるべきなのです。
しかしながら、コミュニケーション不足が確認が曖昧なケースが多くあります。
すると、開発工程が進む中、ユーザーの違和感が大きくなります。
結果的に、「このパッケージソフトは使えない」と言われてしまい、トラブルになってしまうわけです。
④プロジェクト管理能力不足
それぞれの開発工程の中で、ユーザー企業の意向や希望を汲み取ることが大事なのはお分かりだと思います。
トラブルになるケースでは、ユーザー側が「希望する業務を示したドキュメント」を作成していないケースが多くあります。
そうなると、ベンダー側は勝手に解釈してしまうことも多く、トラブルを招いてしまいます。
プロジェクトの中では、双方のためにも、ドキュメントを作成することが必須といえます。
⑤開発コストの増加
パッケージソフトを導入する際は、そのまま利用できるのが理想ですよね。
もし、カスタムする場合は、コスト面の確認をしていく必要があります。
外付けする機能がある場合は、開発コストが上がっていくからです。
またパッケージそのものを修正する場合は、保守必要が上がる可能性があり、これも注意が必要です。
場合によっては、想定外の費用を請求されたことでトラブルになるからです。
以上のように、システム開発の3割~4割は、トラブルになっているのが現状です。
原因を把握することで、少しでもリスクを減らすことが必要ですね。